ショートショート「おたがい猫」

あなたが猫だとしたら私はなに?
そう言われても私はそもそも猫だ。そしてあなたも猫だ。
ねえ聞いてる?
聞いていて考えている。正解が思いつかない。いや、正解は猫なのだけれども、きっとそれは猫の思う正解ではないのだろう。
じゃあ質問を変えるね。
良かった。助かった。さっきの無理問答は宇宙だ。本人が話題を変えてくれれば誰も傷つかない。
私はなに?
いや、だから猫だっ…危ない、つい気持ちがノーセキュリティーで暴発するところだった。ひっかけだ。トラップだ。質問変わってないじゃないか。端的に意味分からなくなっただけじゃないか。漠然と関わりたくない度合いが怒髪天にそびえ立っただけじゃないか。もうやめよう。猫。正解は猫。不正解も猫。全部猫。おたがい猫。

猫。
正解。

みたいなこと言ってるのかな?と彼女が言う。
ねえ、あなたが猫だとしたら私はなに?と彼女が言う。
おたがい猫だよと僕が答える。

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